「グラン・ブルー完全版」

 フランスのリュック・ベッソンと言えば今でこそ「タクシー」だの「トランスポーター」 だのというおバカな映画ばかりを製作している印象ですけれど、80年代に初めて日本で公開された 「サブウェイ」や本作のオリジナル(不完全版?)「グレート・ブルー」で鮮烈に登場した時には マジ「天才だぁ!」と思ったものです。

 当時ベッソンは「ディーバ」のジャン・ジャック・ベネックス 監督等と共に「フランスの新ヌーベル バーグ」として出て来た中の一人だったのだけれど、あ〜の「サブウェイ」の眩しいくらいの新鮮さには 狂喜した覚えがありますよ。

 そ〜して本作のオリジナル? だった「グレート・ブルー」は日本で封切られる前から本国フランスで 大ヒットしているとの噂が立って、今か今かと待ちわびていたのにあ〜た!
 封切り一週間で客が入らず打ち切りですぜ! かのベッソン作品を70ミリで観れると喜び勇んで出か けた新宿プラザ劇場では、一度上映の終わったハズの「敦煌」をやっていて「なんじゃコレはぁ!」と 仰天したのを覚えています。
 そりゃ封切り初日か、少なくとも2〜3日中に行かなかった自分も悪いですけれど、この件はハイ、少々 根に持っております(笑)。

 そ〜れで仕方なく、封切りの終わった作品が落ちて? 来てかかる二番館での上映を待って、ようやく 忘れもしない飯田橋のギンレイホールですよ。すっかり話題も醒めた「ダイ・ハード」と二本立てでした。

 お客さん全然入ってなくて、70ミリで観れなかった腹いせに最前列でスクリーン独占でした。あ〜の 「貴方は海で生きなさい!」とロザンナ・アークェットがケーブルを切り離すラスト! も〜う感動して 感動してねぇ〜「こんな凄いモノを作れるヤツがいるのか!」と、当時の感情が蘇って熱くなっちゃって ますけれど(自嘲)。

 二番館に落ちるもぜ〜んぜんお客入っていなかったのに〜他にもコレを見た数少ない熱狂した観客の 口コミにより評価が高まって、後の完全版である本作の大ヒットになるんですよねぇ。

 いや〜しかし当初のベッソン監督はデビューの「最期の戦い」〜「サブウェイ」〜本作品〜「ニキータ」 (大傑作!)の一連の流れには大喝采してたものですが……。
 まぁ当初から彼はインタビューで「7本くらい監督したらもう才能が枯れるので、後はプロデューサー業 に専念したい」みたいなことを言ってましたからねぇ。
 その時点で既に自分の技量も見極めていたのかもしれませんねぇ。



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